フォトグラファーが挑戦した新たな表現世界 コマーシャルフォト誌
大山千賀子インタビュー
霊柩車の男
霊柩車を運転する男。彼は自分の運転していた霊柩車の中に身を横たえてみる・・・。幻想とも現実ともわからないモノクロームの世界が展開する。(約12分)
フォトグラファーの大山千賀子さんが、ショートフィルムを制作。CM撮影やミュージックビデオの演出はしていたものの、自主制作としてはほぼ初めてという作品が、6月開催の「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2008」や、海外の映画祭での上映される。
――制作の動機はなんだったのですか?
大山 海外から帰国後、クリエイティブの現場をしばらく離れていました。表現者として再出発しようと思ったときに、何か新しい分野に挑戦したいと思いました。新鮮な気持ちでワクワクしたいと考えたのです。
――ノンダイアローグ、モノクロにした理由はなんですか?
大山 私はセリフを書く、ということに慣れていないし、短い時間の中でセリフを入れると、どうしても説明的になってしまいます。セリフをなくすと、「音」が改めて新鮮に聞こえてきて、「息づかい」だけでいろいろな表現ができることに気づきました。モノクロにしたのは、撮影上の都合もあったのですが、描きたいことをシンプルに見せられたと思います。
――撮影で苦労したことは?
大山 まず霊柩車のレンタルの予約ができない(笑)。唯一予約可能なのが、 友引なんです。そこで、撮影は友引の日中心に行ないました。10月に延べ4日間くらい、浜松で撮影。仕事の仲間に手伝ってもらい、キャストも俳優の事務所をやっている友人の紹介です。
――撮影機材について教えてください。
大山 パナソニックのHVX-200をステディカムマリンに載せて使用。24Pのシネライクモードで撮影しました。
――次回作の予定は?
大山 この作品をいろいろな映画祭に出品して、そのレスポンスを見て、次の作品を作りたいですね。表現方法として短篇、特に10分くらいの作品が面白い。それを何本か積み重ねることで、自分の表現したい世界を見せることができるのではないかと思います。
NY Independent Film Festival
A hearse driver drifts between reality and fantasy.